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THE MAGICIAN.

 
THE MAGICIAN

【「アルカナ魔術師/THE MAGICIAN.」に見る変化と創造、地球を侵食しない人間の創造性とは?】

 アルカナのタイトルがこのようですから、しばしば語弊をかもし出すこともある札。Mr.マリックとか引田天功とかいわゆるエンターテイナーとしての手品師、マジシャンが描かれている札であって、この札が出ると何かマジカルな変化が期待できるとか云々、、最初に「そういう札ではないんですよ」と前置きするのが、どこに行っても結構至難だ。

 描かれている人物をよく観て下さい。右手は天に向かってうやうやしくワンドを掲げ、左手は大地を指さすというこのポーズ。ここにこの札の象徴が凝縮されている。「天地」、これは後述される「女教皇」の二本の柱に通じていくところでもあり大変重要な要素であると。
 この若者のポーズを、言語でどう解釈しようか。言うなれば「天界の技(わざ)をこの地上に再現しよう」。神の御技を、神の力を借りて、この地上に自らの手で、今までにない新しいものをここにクリエイトしてみよう。そう、この若者は全身で物語っているのです。人のクリエイティブな力、即ち「創造力」が暗示されているのがこのアルカナだ。

 創造とは、「そこに存在しないものを、新たに初めてつくり出すこと」です。(ね、タロットを理解するってことは、まずこうして何げなく使っている言語を理解していくことからはじめるものなのよ。国語事典も必要です。)一種前人未踏の行為を成し遂げるような、そんな大それた技を指すこともあるけれど、しかし、考えてみて下さい。私たちの人間は常に成長しており、昨日より今日、去年より今年と、新たな可能性の開花の連続で、前進しているようなものです。そう、常に進化している。前述した「星」にも通じるが、進化を求め、創造する力を発揮できるのは、人間だけです。他の生き物には道具を発明し使いこなす意識も能力も持ち得ない。人間らしくあるということは、まず思考すること、感情に流される前によく考えて、だ。

 ところが近年顕著になってきました、人間の進化と創造、技術の開発によって、地上のあらゆる生命体、地球そのものの環境が脅かされているという現実が。モノ、スピード、私たちの生活の利便性もピークに達したのではなかろうか? しかし、その代償は大きかった。この夏も猛暑で、いやというほどこの現実を叩き付けられている最中だが、今私たちは何をしなければならないのだろう? 暑さも、暴風雨も、異常発生しているセミの声も、環境が悲鳴を上げているかのようで心に痛い。人間さえいなかったら、緑生い茂る青々とした地球は、豊かな楽園であり続けただろうに、、楽園を追放されたアダムとイブは、現代人がなすべき贖罪の象徴さながらです。「魔術師」の札は逆位置になれば、単なるワル知恵。偽装、詐欺、汚職、計画的殺人、、事件にからんで「なんでこういうことするの? 信じられない!」街角でインタビューに答える声が聞こえたけれど、答えは「人間だから」なんですよ、、

 いやもっと、人間だからこそ、人間らしく、世の中を変えていきたいものですよね。環境保全、改善のためのエコライフ、きっとみんなそれぞれの努力や創意工夫をしていることだろう。いつか、政治や産業を動かし、変えていく力となるよう祈るばかりだ。創造の作業とは、消して悠長にしていられるものではないから、自分の力無さを感じるときこそ、もっと大きな力を信じて。「魔術師」の札には無限を表す記号が描かれている。これはいわゆるHigher Power。別に神の偉大さなどでなくて、例えば、過去に偉業を成し遂げた人の導きの力でも、何でも定義はそれぞれでOKなのですが、そんな大いなる力が、あらゆる生命体にとってプラスの進化と変化と創造の作業について、後押しをしてくれること願い、日々前進するのみです。


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