Tarot ?伝統的なタロットの種類?

 ひとことで「タロット」と言っても、そのスタイルは様々なで、デザイン的な種別に分けると数百種にものぼると言われています。ここでは、タロット研究サイトで知られているTom Tadfor Little氏が主催するタロットサイト「The Hermitage/A Tarot History Site」で紹介されている伝統的なタロットのデザインによる分類についてのページを和訳、紹介させていただきます。

 タロットのデザインを1〜7の標準的なパターンに分け、発祥地別に分類し図表にしたタロットのデザイン別分類についてのページが紹介されていますので、参考にさせていただいております。こちらのサイトの記述によれば、タロットの標準パターンとは、版が変わっても忠実に踏襲される一連のデザインであって、その好例に「マルセイユ版タロット」が上げられています。既に当サイトでも、様々なマルセイユ版のヴァージョンをご紹介しておりますが、その土地、その時代のそれぞれのカード・メーカーは、デッキのデザインをほとんど変えることなく、変えるにしても、その最小にとどめて変化させるに至っています。結果、少なくとも3世紀以上に渡って、マルセイユ版のデザインは、ほとんど代わっていないのです。デッキが擦り切れたり、紛失したりして、新しいものに取り替える際には、多くのタロットマスターたちが通常慣れ親しんだデザインのものを好むことでしょうから、このように標準パターンが守られ、系統が維持されていくことは重要なこととなるでしょう。独創的でオリジナリティあふれるデッキも魅力的ですが、タロットのそもそもの伝統を、遵守していこうとする精神も、大切にしていきたいものですね。

 標準的パターンにしたがって製造されたデッキの他に、ラグジュアリー・デッキ(より趣向を凝らしたタイプ)なるものも存在しています。これはアート・デッキとも言われ、収集家に気に入ってもらえるよう、特に装飾的に作られたタイプのタロットです。たいていの場合、このようなデッキは、伝統的なデザインを忠実に踏襲しないし、また、伝統的なデザインのその後の展開にも影響を与えることはないわけなのですが、ラグジュアリー・デッキが新たな標準的パターンになることもあり得るのです。1835年のデラ・ロッカ・タロットがまさにそれであって、ロンバルディ・タロットのラグジュアリー版として登場したものが、ミラノ式タロット・パターンと化しています。また、現代のスイス1JJタロットは、もともとはブザンソンのタロットのラグジュアリー版だったものです。

 さまざまな標準的パターンや、それらの相互関係については、マイケル・ダメットが「Game of Tarot」の中で扱っているとのこと。インターナショナル・プレイング・カード・ソサエティ(IPCS)の出版物でも扱っているそうです。

ミラノ系統

  • 年代:15から16世紀
  • いわゆるヴィスコンティ版。ヴィスコンティ・スフォルツァ版ラグジュアリー・デッキの複数のカードの他には、断片1点(Caryシート)のみが現存。
    現在、ヴィスコンティ版を製造・販売している会社は主に3カ所、アメリカのU.S.Games社、イタリアのLo Scarabeo社、イタリアのカード・メイカーIl Meneghello。各社がそれぞれの独自性で復刻版を作成、販売しています。当サイトで取扱中のヴィスコンティ版。
    U.S.Games社ベルガモパック
    大量生産中で手ごろな価格詳細
    Il Meneghelloのベルガモパック
    手製の翻刻版の限定品
    外箱は木箱風のクラフトボックス詳細
    LoScarabeo社ベルガモパック
    金箔仕様
    大アルカナ22枚のセット詳細
    U.S.Games社
    左の三種ベルガモ・パックとは異なる
    キャリー・イエール・パック 詳細
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マルセイユ系統

  • ミラノのヴィスコンティ版から派生したデッキ。古き良き伝統に倣ってフランスの国立図書館に保存されている原版を忠実に再現したものから、現代的な新しい象徴を加えてアレンジされたタイプの復刻版まで世界各国で製造・販売されている。日本ではマルセイユ版タロット、マルセイユ系タロットの区別に多く厳密でない。

    マルセイユ版タロット

    • 年代:17世紀(あるいは16世紀)から現在まで
    • 東フランスで普及
    • 詳細

    ブザンソン版タロット

    • 年代:18から19世紀
    • マルセイユ版タロットの亜種。女教皇、教皇がジュノン、ジュピターに置き換えられている。
      当サイトで取扱中のブザンソン版
      ブザンソン・タロット
      Tarot of Besancon
      Tarocco di Besancon

      メイカー特製の箱入り。おしゃれな紙製ボックス入り
      箱のサイズ: 8×13.5×4cm
      札のサイズ: 6×11.5cm
      メイカー: Meneghello、1986年
      参考価格\6,250
      太陽と月の対照的な描き方にも注目 アルカナXはジュピター、Uはジュノー

    スイス・タロット

    • 年代:1840年から現在まで
    • ブザンソン版タロットを芸術的にしたラグジュアリー版。多くの大アルカナの主題が異なっている。
      当サイトで取扱中のスイス・タロット
      1JJ Swiss Tarot Cards
      1JJスイスタロットカード

      スイス AGMuller社製   
      カードサイズ:11.2×6cm

      詳細
      アルカナXはジュピター、Uはジュノー

    ピエモンテ式タロッコ(ピエモンテ版タロット)

    • 年代:18世紀から現在まで(最近のカードは上下対照になっている)
    • マルセイユ版タロットの変種。イタリアのピエモント地方、リグリア地方で用いられる。

    ロンバルディ・タロット

    • 年代:18から19世紀
    • マルセイユ版タロットの変種。イタリアのロンバルディ地方で用いられる。

    ミラノ式Tarocchino (デラ・ロッカ・タロット)

    • 年代:1835年から20世紀
    • ロンバルディ・タロットを芸術的にしたもので、デラ・ロッカ・ラグジュアリー・デッキをベースにしている。
    • 当サイトで取扱中のデラ・ロッカ・ラグジュアリー・デッキ 詳細
      デラ・ロッカのタロット
      タロッコ・ディ・デラ・ロッカ
      Tarocco di Della Rocca

      1998年の翻刻版。モノクロの鉛筆画

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ベルギー系統

  • 年代:17から18世紀
  • マルセイユ版の序列を用いるが、女教皇と教皇がスペイン人キャプテンとバッカスに置き換えられるなど、トランプのデザインは異なる。北フランスと低地帯で普及。
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フェラーラ・ベニス系統

  • 年代:15から16世紀
  • ラグジュアリー・デッキ(エステンシ・タロット、グランゴヌール・タロット)と断片(メトロポリタン美術館)のみが現存。
  • 当サイトで取扱中のLo Scarabeo社製ゴールデン・タロット・オヴ・ルネッサンス(エステンシ・タロット)はこちらで
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ボローニャ系統

  • 年代:16世紀(あるいは、それ以前)から現在まで
  • Tom Tadfor Little氏によれば、16世紀あるいは17世紀には、2から5の数札を外してデッキの枚数を減らし、デザインが上下対照になった。18世紀には、教皇や皇族のカードが、4人のムーア人に置き換えられた。ボローニャ以外では見付かっていないとのことだが、イタリアのカード・メイカーIl Meneghelloに翻刻されているTarot of Bologna とは、だいぶ内容が異なっている。
    当サイトで取扱中のボローニャのタロット

    Tarocco di Bologna
    Tarot of Bologna

    18世ボローニャのタロットの翻刻版
    2500個限定品
    箱のサイズ: 13x7x4.3cm
    札のサイズ: 10.8x5.8cm
    メイカー: Meneghello、1986年
    札の裏面 戦車の絵柄の箱
    左)こちらはLo Scarabeo社製の量産品。イタリア語版、英語版の2種類があります。ご入用の方はお問い合わせ下さい
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フィレンツェ系統

フィレンツェのタロット

  • 年代:16世紀(あるいは、それ以前) 17世紀の可能性も
  • 断片が数点、現存するのみ。

ミンキアーテ

  • 年代:16世紀から20世紀初頭まで
  • ゾディアック(十二宮)・サイン、四要素、さらに四つの美徳が描かれたトランプなどが加えられた97枚組みのデッキ。イタリアのほとんどの地域、さらにはフランスにも普及。1700年代のミンキアーテ・エトルリアと、1800年代のミンキアーテ・フローレンスが現在翻刻されて流通している模様。
  • ミンキアーテ・エトルリアとミンキアーテ・フローレンスの違いは、Tom Tadfor Little氏のサイト内のこちらで紹介されています。 
  • マイケル・ダメットがヴィスコンティ版ベルガモ・パックについて論じている著作の中では、推定1526〜1543年に、イタリアのフィレンツェでタロットデッキに抜本的な修正が加えられたことがわかっているとのこと。そこでは、この「女教皇」が排除され、後述する「女帝」の代わりに「大公」(王の下、公爵の上に位置する階級)が加えられたデッキがこの「ミンキアーテ・タロット」。4世紀のローマ帝国の東西分裂から中世のキリスト教会の東西分裂を経て、ヨーロッパが現在の国教を分かつようになるまで支配権を争った王侯貴族とキリスト教会の混乱が反映されているのではないかと、当サイトでは考えています。
    当サイトで取扱中のミンキアーテ・タロット

    *Minchiate Etruria
    ミンキアーテ・エトルリア
    1725


    詳細
    *Minchiate Fiorentine
    ミンキアーテ・フローレンス
    1820

    木箱仕立てのクラフトボックス入り
    箱のサイズ: 7.5×19×6cm
    札のサイズ: 6×11.5cm
    メイカー: Meneghello、1986年
    絵柄は5タイプ
    巨蟹宮(蟹座)
    ・天羯宮(蠍座)
    ・磨羯宮(山羊座)
    ・宝瓶宮(水瓶座)

    札の裏面
    箱の表の絵柄は「宝瓶宮」上の方には「天秤宮」がほどこされている
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シチリア系統

  • 年代:17世紀から現在まで
  • フィレンツェのタロットから派生したが、トランプには変わった変種が多い。各スートの最低位のカードを外して、63枚組みに減らしている。シチリアでのみ用いられる。
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